1271年(文永8年)、実相寺の開祖聖一国師が宋から茶の種を持ち帰り、寺の境内に播いたことが西尾茶の起源とされています。1872年(明治5年)、宇治から茶種と製茶技術を持ち帰った紅樹院の住職足立順道が境内に茶園を開き、1884年(明治17年)には稲荷山一帯に新たに茶園が開墾されました。昭和10年代には三河式トンネルてん茶機が考案され、地場産業として飛躍的な成長を遂げました。1960年(昭和35年)頃には全国的な茶の大増産で西尾の茶産業は危機に陥りましたが、抹茶を食品加工用原料として用いることで販路拡大を目指し、2009年までの30年間に生産量はほぼ倍増。抹茶味のアイスクリームが商品化されたのを契機に、抹茶チョコレートなどの菓子、抹茶ラテなどの飲料などさまざまな商品に西尾の抹茶が使用されるようになり、消臭剤やサプリメントの原料としても用いられています。